2008年ダカールラリーが開催中止
モーリタニアでのアルカイダ関連のテロ事件でフランス政府が中止命令
4日、ダカールラリーの主催者ASOはリスボン市内の車検会場ベルム中央文化会館内
で正午に緊急記者会見を行い、モーリタニア国内での治安問題から翌5日にスタート
を控えていたダカールラリー2008年大会の開催を急遽中止すると発表した。
これは昨年12月24日にモーリタニア国内で4人の旅行者がアルカイダに関連するイスラミック・マグレブと呼ばれる武装グループによって殺害され、犯人グループはセネガルへ逃走。その2日後にもモーリタニア北部のマグレブの基地周辺で軍関係者2名が殺されるなど緊張が高まっていたこと、フランス政府宛にダカールラリーも危険だという脅迫があったことなどからフランス政府がASOに対し開催中止を強く要請したことによる。3日にはフランス外務大臣が一般に向けてモーリタニアへの渡航自粛を呼びかけていた。
この日午前8時半に車検場に到着した日野チーム・スガワラだが、すでに書類手続きや車検はストップしており、周囲では中止のうわさが飛び交っていた。ほかのエントラントとともに会見に出席したスタッフは突然の決定にショックを受けたが、主催者の決定は安全性を最優先したものであり、ほかのエントラントとともに粛々と会場を後にした。
残念ながら第30回の記念大会はスタートを前に中止というパリダカ史上かつてない幕切れを迎えることになった。
なお、車両やスタッフの帰還時期など今後の予定は未定だが、まずはテロシェのガレージに車両を戻すことになる。
| チーム代表・菅原義正のコメント
スポーツの世界の根底には平和が不可欠であることをつくづく感じます。
また、主催者が厳しい状況に置かれていることを皆が理解しているのでしょう、ASO
ラビーニュ代表による中止発表の最後に参加者たちから大きな拍手が起きたことに強
い感銘を受けました。 ともあれ、応援してくださった皆様、ご支援を賜ったスポン
サーの方々、一年間をかけた準備作業に尽力してくださった関係者全員にお礼とお詫
びを申し上げます。 今回は残念な事態となりましたが、これは終わりではありませ
ん。状況が許せばわれわれは同じメンバーで来年是非挑戦したいと考えています。
これまで準備してきた全てを次のチャンスに活かし、必ず結果に結び付けることをここ
にお約束いたします。本当にありがとうございました。
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Dakar2008年大会公式サイトによる声明はこちら >>
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リスボンの車検場に到着した日野レンジャー>>
参加者、報道関係者に中止決定を知らせるラビーニュ代表>>
緊急会見で08年大会の中止を発表するASO責任者エティエンヌ・ラビーニュ>>
突然の中止決定にショックを隠せないスタッフ>>
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