2009/10/29 日野自動車・本社

日野本社内でダカールラリー2010参戦記者発表会を開催
2010年ダカールラリーに向けて日野チームスガワラが健闘を誓う

10月29日(木) 日野自動車は、南米アルゼンチン〜チリで開催される「ダカールラリー2010」のトラック部門に出場する「日野チームスガワラ」の参戦記者発表会を東京の日野本社内で開催した。日野として参戦に向けた準備を進めていることはすでに表明していたが、今回が正式な参戦発表となる。会場となったデザインセンター前には完成したばかりの参戦車両「日野レンジャー」2台が並べられ、約50名の報道関係者のほかスタッフ、関係者など総勢約100名が出席。91年の初出場以来連続19回目を迎える日野の参戦活動に対する注目度の高さをうかがわせるとともに、会場はラリー本番のような熱気に包まれた。

午前10時半に始まった発表会の冒頭、藤井恒彦専務取締役が登壇し「日野自動車はダカールラリーにみ続けて19回目です。これまで挑戦し続けてきた理由はグローバル日野のブランドを醸成すること、世界一過酷と言われるラリーへの参戦を通じてトラックにとって何より重要な耐久性や信頼性など、商品力や技術力を実証すること、そして、そうした活動を通じて一つの目標に向かうことで、日野グループの求心力を高めることです」と、日野の参戦目的・取り組みについて紹介。「完走すら非常に難しい大会ですが、私たちは、毎年更なる高みを目指し挑み続けています。その為には、多才なテクニックを持つドライバーの力、過酷な条件変化に耐える車両の開発、環境に順応して車両を仕立て上げるメカニックの技術力を合わせることが条件なのです。」と18年連続完走の意義をアピールした。そして、「どれだけ一つの目標に向かって心を一つにしていけるか。日野にとってのダカールラリーは夢と情熱をかけてチャレンジする機会であるし、これを体験する重要なプロジェクトの一つです。今回の目標は19回連続完走達成はもちろん、同時に排気量10リットル未満クラスの優勝を獲得し、総合の上位入賞も狙って行きたい。また、ドライバー菅原義正さんの連続21回完走の世界記録更新もかかっています」と次回大会に向けて期待をにじませた。

続いて2号車をドライブする菅原照仁が演壇に立ち、2010年大会の概要とレース戦略について説明。「前回も(従来に比べて)砂漠のコースが非常に厳しかったが、今回はより厳しくするという発表があり、調べたところ14ステージ中9ステージに砂丘がありそうです。ライバルであるモンスタートラックにパワー勝負ではなかなか勝てませんが、テクニカルな砂丘ステージが多いということで、我々の経験を活かした走りが出来れば結果も出てくると思います」と日野レンジャーの機動性を活かした走りにやる気を漲らせ「コンスタントに上位をとっていけばトップ10はもちろんのこと、さらに上位も狙えるのではないでしょうか、前回はトラブルで苦い思いもしましたが、今回はトラブルなく走りきって10リットル未満クラスの優勝はもちろんのこと、とにかく上位、ひとつひとつ前に行けるように頑張ってきたい」と健闘を誓った。

最後に、チーム代表兼1号車ドライバーとして決意表明を行なった菅原義正は、「日野さんは会社のスピリッツとして、情熱、挑戦、貢献、知恵と改善、スピード、チームワークの6つのキーワードをテーマに掲げています。その中で挑戦とは世界の日野を目指すということ。我々がトラックでラリーをやらせて頂けるのは世界の頂点を目指すということで、97年には一度(優勝で)頂点に立ちましたが、常に更なる高みを目指すことにより、挑戦し続けています。今年は、経済環境の厳しい中で、2月に参戦を決めました。今は少し景気が回復したということになっていますが、前が見えなかった2月の時点で挑戦を決めたのです。日野さんのそういう姿勢と我々も頑張るという姿勢がぴったりなので、やらせて頂いております」とチームのモチベーションの高さを表明。そして「ライバルも進化しているが、2010年大会は砂丘が多いと聞いているので、レンジャーの軽快さを活かしてぐんと上位に行きたい。もちろん前回逃した10リッター未満クラスの優勝を2台の力を合わせて勝ち取り、個人的ですが、21回連続完走に向けて頑張りたい」と締めくくった。

2台の「日野レンジャー」は発表会が終了すると南米へ向けた船積みのため、待ち受けていた積載車に積まれて港へ直行。12月上旬にはアルゼンチンに到着し、ラリーのスタート地ブエノスアイレス近郊にあるアルゼンチントヨタの工場内で12月30日の車検に向けた最終調整を行うことになる。

また、同大会には日野グループから総勢5名のメカニックがチームに帯同。日野自動車からは、04年のダカールラリー参戦経験を持ち、メカニックの総括を担当する海外部品サービス部 門馬孝之が、全国の販売会社からは公募選抜された北村忍(北海道日野自動車(株))、山崎貴士(東京日野自動車(株))、水野潤(愛知日野自動車(株))、中野直也(広島日野自動車(株))の4名が派遣される。メカニックは、9月より参戦車両の製作に携わっており、このあと日野社内で渡航に向けた最終研修を受けたのち、車両の到着に合わせて12月中旬にアルゼンチンへと出発。競技中は日野プロフィアのアシスタンストラックならびにトヨタランドクルーザーのアシスタンスカーに分乗して全行程を帯同。日野レンジャーのサポートを行なう。メカニックたちは記者発表に際して以下のようにコメントしている。


 
メカニック・門馬孝之(日野自動車)のコメント
自分にとって04年大会以来のダカールラリー参戦ですが、今回は、車両製作を通じて、我々メカニックのチームワーク、結束を高めてこられたと思います。自分にとっても初めての南米で団結力を最大限に発揮し、保守整備の責任を果たせるように頑張ります。


 
メカニック・北村忍(北海道日野自動車)のコメント
これまで車両製作をやってきてチームワークも良く、みんな良い雰囲気で出来たので、自信を持って現場に行けます。ラリー現場の環境は想像がつかない部分もありますが、みんなで力を合わせて2台とも完走させたいです。


 
メカニック・山崎貴士(東京日野自動車)のコメント
今回は車両製作を通じて勉強になることを沢山やらせて頂いて、それだけでも感謝しています。これから本番ですが、思う存分、悔いの残らないようにやっていきたい。楽しみ半分、不安もちょっとでしょうか。


 
メカニック・水野潤(愛知日野自動車)のコメント
車両製作から関わらせて頂いて、ラリー車の各部を触らせて頂きましたので、あとはもう現地では自信を持ってやるだけ。とにかく完走を必ずさせるように頑張ります。愛知日野からは自分が初めてのダカール参戦ですが、会社にも完全にバックアップしてもらい、ありがたいと思っています。


 
メカニック・中野直也(広島日野自動車)のコメント
広島日野からは、過去2人のメカニックがダカールに参戦しており、先輩からも話を聞いています。今は車両が完成してほっとした気持ちですが、現地では出来ることを全力でやりたい。普段経験出来ないような色々なことを経験したいと思っています。

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会場はマスコミや関係者の熱気に包まれた>>

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日野の参戦目的を語る藤井専務取締役>>

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大会の概要とレース戦略を語った菅原照仁>>

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次大会へ向けた決意表明を行う菅原義正>>

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多くの報道陣に囲まれる菅原義正>>

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チームメンバーと車両製作スタッフ>>

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