STAGE-61/11 OUAGADOUGOU-NIAMEYTOTAL 733km(S.S. 526km)

500キロのロングSSで
T4−1クラストップの座を堅持

ラリーは治安上の問題から急遽明日から休息日に
競技車も空路リビアへ向かう

 
 ダカールラリーの主催者TSOは11日夜、ニジェール一日目のビバーク、ニアメで記者会見を開き、フランス外務省及び国防省からのニジェール国内でのラリーに対する大規模なテロが発生するとの情報に従い、ラリーをここニアメで一旦止めて空路競技車両・人員をリビアへ移送。17日より競技を再開したいと発表した。テロリストの実態などは不詳だが、主催者としてはラリーの進行と関係者の安全を勘案しての措置としている。今後の詳細なスケジュールは12日に決定される見込みだが、まず13日の午後までは整備作業自由のフリーパーク、つまり休息日とされ、その後パルクフェルメにて車両保管に。イベントで現有している輸送機に加えて、大型輸送機アントノフ2機を調達してカミオンを含む全車両の空輸を行い、17日に車両と人員を再集結させて、18日、リビアのワウエルケビールから本来のスケジュールに沿ったラリー進行に戻す考えだ。ラリーとしては97年のダカール・アガデス・ダカールでアーリットのビバークを治安上の問題からキャンセルしたのに端を発し、これまで毎年襲撃事件が発生しており、複数国間にまたがるマラソンクロスカントリーラリーの難しさを改めて感じさせている。
 今日のラリーははじめて500キロを越える長丁場。ブルキナ・ファソからニジェールに向かうに従って道はだんだんと砂地になり、後半、ニジェール川付近では砂丘も出てきて一部車両がスタックするなど、そろそろ本来のパリ・ダカらしいステージに突入した感がある。チームスガワラのスペースレンジャーFTも健闘し、少々ミスコースを喫する場面もあったが、ロプライスのタトラに続いて5番手でSSを終了。デ・アゼヴェドのタトラの好走により、カミオンの総合では5番手に下がったものの、依然T4−1クラスの首位の座を堅持している。

■チームクルーのコメント
菅原義正 ドライバー・菅原義正
今日はまた木立があって、フロントウィンドウの亀裂もいよいよひどくなってしまいました。もうこの先にブッシュはないし、今夜交換作業をしますから問題はありません。また、運転席のサイドウィンドウも前端部の切り欠き部に枝があたって割れてしまい、明日、町にガラスかアクリルを探しに行こうと思っています。主催者の決定に関しては、安全を重視したものとして尊重しますし、仕方ないと思いますが、砂丘で巻き返しを狙っている我々としては砂漠地帯でのキャンセルは少々残念です。

■カミオン部門暫定SS順位(第6日目終了後)
順位 車番 部門 ドライバー 車種 総合タイム
1 416 T4-3 F.カビロフ カマズ 7h 51' 46"
2 409 T4-3 V.チャギュイン カマズ 8h 02' 27"
3 408 T4-3 A.D.アゼヴェド タトラ 8h 07' 44"
4 407 T4-3 K.ロプライス タトラ 8h 21' 31"
5 400 T4-1 菅原 義正 日野スペースレンジャーFT 8h 29' 06"
6 414 T4-3 B.スクレノフスキー タトラ 8h 37' 45"
7 404 T4-1 K.バウエール メルセデス 8h 56' 55"
8 402 T4-1 D.カノニコ メルセデス 9h 57' 52"

■カミオン部門暫定総合順位(第6日目終了後)
順位 車番 部門 ドライバー 車種 総合タイム
1 409 T4-3 V.チャギュイン カマズ 27h 47' 38"
2 408 T4-3 A.D.アゼヴェド タトラ 28h 27' 43"
3 416 T4-3 F.カビロフ カマズ 28h 40' 24"
4 407 T4-3 K.ロプライス タトラ 28h 44' 08"
5 400 T4-1 菅原 義正 日野スペースレンジャーFT 29h 13' 31"
6 414 T4-3 B.スクレノフスキー タトラ 29h 51' 12"
7 404 T4-1 K.バウエール メルセデス 30h 31' 42"
8 402 T4-1 D.カノニコ メルセデス 37h 15' 10"
 ※ カミオン部門(T4)のクラス分け
T4−1: フロントエンジン(標準)搭載の4輪駆動車
T4−2: フロントエンジン(標準)搭載の6又は8輪駆動車
T4−3: ミッドシップエンジン搭載車