2012/01/20 Santiago
ゴールセレモニー
日野自動車提供レポート

2号車が排気量10リットル未満クラス4連覇を達成
サンチャゴ市内でゴールセレモニーを実施

  20日、2013ダカールラリーはチリの首都サンチャゴ市内でゴールセレモニーを行なった。市の中心部に位置し、大統領の執務室などがあるモネダ宮殿前の広場にポディアム(表彰台)が設けられ、完走者が一台づつ紹介されて登壇する。ダカールラリーが当地にゴールするのは初めてとあって、会場周辺はもちろん、約4km離れたパルクフェルメから往復する沿道には数万人もの観客が集まり街はダカールムード一色に染まった。
 
  1991年の活動開始以来連続22回目(中止になった2008年大会を除外)のダカールラリー挑戦となった日野自動車は日野チームスガワラとして日野レンジャー(輸出名HINO 500 Series)の2台体制で今大会に参戦した。3年計画で行なう新型競技車両の開発2年目としてエンジンを電子制御化し、フレーム、前後アクスル/ブレーキを一新した1号車を菅原義正/羽村勝美組が、従来型車両の改良型を2号車として菅原照仁/杉浦博之組が担当。これを全国日野販社から公募選抜された4人のメカニックとチームスガワラの母体である日本レーシングマネージメントに勤務する鈴木誠一がエンジニア/メカニックとして加わる体制である。
 
  ラリーは2号車が序盤から順調に排気量10リットル未満クラスの首位を快走する一方、1号車は8日にタイロッドを曲げたほか、11日には水温上昇のトラブルが発生。メカニックたちが様々な対応を行ったが思うような効果が得られず、最終的には16日のラジエター交換によって症状が治まった。2号車がクラストップの座を堅持する一方、復調した1号車も終盤のアタカマ砂漠などで持前の粘り強さでポジションをアップ。最終的に2号車が総合19位・クラス1位、1号車が総合31位・クラス4位の成績でサンチャゴにゴールし、2号車が同クラスの4連覇を達成した。
 
  日野チームスガワラの2台の日野レンジャーは午後5時半すぎにポディアムに登場。ルーフの上にメカニックたちを乗せて到着すると乗員は日本から激励に駆け付けた日野自動車岡本一雄会長とがっちり握手。地元ディストリビューターの関係者らとともに手を振って歓声に応えていた。これで2013ダカールラリーは全日程を終了。チームは今回1号車が集積したデータをもとに次回大会に向けた新型レーシングトラックの熟成に早速取り掛かることになる。

 

 

岡本一雄日野自動車会長のコメント
今回現地を初めて訪れてみて、ダカールラリーは人間の要素が大きく、多くの人が楽しんでいる良いモータースポーツだと実感しました。今大会はチームの頑張りによって日野自動車にとっても良いラリーでした。今後もしっかり活動支援を続けて行きたいと思います。

 

 

1号車ドライバー・菅原義正のコメント
今大会は2回のステージキャンセルもあって、なんだか物足りない感じがしています。思うようにならないのがダカールラリーなんですね。また、1号車のテストという役目は果たせたかなと思います。

 

 

1号車ナビゲーター・羽村勝美のコメント
(前回の2010年はリタイアだったので)自分にとっては2009年以来4年ぶりの完走となりました。やはりゴールは良いですね。色々な気持ちが重なって、思わず泣けてしまいました。

 

 

2号車ドライバー・菅原照仁のコメント
今日も沿道には多くの観客の人たちが詰めかけていました。また、チリ日野をはじめ、現地で応援してくれる人たちも多く、心強かったです。今回の結果について、とりわけ総合順位はライバルの台数や内容からすれば、我ながらよく戦ったと思います。

 

 

2号車ナビゲーター・杉浦博之のコメント
初めてクラス優勝が出来て素直に嬉しいです。ただ、コースには物足りなさを感じました。これだと我々には有利とは言えないです。

 

 

メカニック・鈴木誠一のコメント
久しぶりにメカニックに専念できる体制でダカールラリーに臨みましたが、トラブルが多かったですね。でも良い結果が得られたと思います。

 

 

メカニック・浦部満広(香川日野自動車)のコメント
日野レンジャーのゴールに接して涙が出てしまいました。色々なことがありましたが、結果は最高だと思います。

 

 

メカニック・菊池孝泰(北海道日野自動車)のコメント
期間中は満足に寝ることが出来ませんでしたが充実していました。一番緊張したのは序盤に1号車がタイロッドを曲げてきたときです。水温上昇のトラブルの際はすぐに解決出来ず、菅原さんたちに申し訳なかったです。

 

 

メカニック・小磯武士(横浜日野自動車)のコメント
あっという間の2週間でした。今回2号車はちょっとした排気もれ程度でトラブルがほとんどなく、クラス優勝出来て良かったです。大変ではありますが、チャンスがあればぜひまた来たいですね。

 

 

メカニック・酒井芳明(徳島日野自動車)のコメント
ラリー中は毎日が大変ではありましたが、それが楽しかった。もう終わりと思うと寂しさを感じます。ともあれ2台がきっちり完走出来て良かったです。

 


排気量10リットル未満クラス優勝の表彰を受けた2号車


ポディアムに到着した1号車


激励に駆け付けた岡本会長と握手する菅原義正・照仁


メカニックたちをねぎらった岡本会長