2009/01/18 BUENOUS AIRES
PODIUM

2号車14位、1号車25位で2009年ダカールラリーを無事ゴール
日野自動車、18年連続完走を達成


18日、2009年ダカールラリーはブエノスアイレス市内でフィニッシュセレモニーを行い、16日間の全日程を終了した。日野レンジャー2台で、カミオン部門の改造クラスに参戦した日野チームスガワラは、2号車菅原照仁/鈴木誠一組がカミオン部門14位・排気量10リットル未満クラスの2位、1号車菅原義正/羽村勝美組がカミオン部門25位という順位で、昨日ブエノスアイレスに無事ゴールした。セレモニーのみが行われるこの日、日野チームスガワラは午後5 時すぎに車検場と同じ多目的展示場「ラ・ルーラル」の特設ポディアム*1に登場した。クルーは車両から降りると、日本から激励に駆けつけた日野自動車市川正和取締役副社長らとがっちり握手を交わし、詰め掛けた観客の声援を受けながら、長かった戦いの幕を閉じた。
08年より制定されたカミオン部門の改造クラスに移行することで、エンジン搭載位置をミッドシップ化し、ホイールベースを延長するなど大幅な改良を施した日野レンジャーは、初の南米開催となった今大会の序盤戦から、優れた操縦安定性など持ち前のポテンシャルを発揮した。しかし、中盤以降2台ともに砂丘の中で駆動系のトラブルが発生し、無事脱出したもののペナルティタイムの加算によって順位後退を余儀なくされることとなった。それでも7名の日野自動車ならびに全国販社より選抜されたメカニックたちのサポートを受けてゴールし、チームの総合力を如何なく発揮した。目標であった排気量10リットル未満クラスのトップは取れなかったものの、今後の車両開発に向けた貴重なノウハウを習得する極めて有意義な大会となった。
この結果により1991年からダカールラリーに参戦している日野自動車は18年間連続参戦・完走を達成した。また、1号車ドライバーの菅原義正は前人未踏の20年間連続完走という記録を達成し、主催者からもその栄誉を讃えられた。
*1:セレモニー時などに設置される壇のこと


 
市川正和(日野自動車取締役副社長)のコメント
この18年間活動を続けてきましたが、今回は相当厳しかったようです。また、ゴールに来てみて改めて南米の人たちがモータースポーツに関心があることを感じました。明るい話題の少ない自動車業界ですが、こうした活動で世の中を元気づけられたらと思っています。


 
1号車ドライバー・菅原義正のコメント
メカニックの人たちが殆ど徹夜の連続で頑張り、乗員もそれに応えようと集中力を高めるなど、今回の結果は乗員、メカニック、アシスタンスの総勢14人の全員が一つになってチームワークを発揮したものだと思います。67歳の自分にとっては大変な大会でしたが、応援して頂ける人たちのおかげで20年連続完走を果たすことが出来ました。自分で言うのもなんですが、日本人として誇りに思います。自分の役割はモータースポーツを通じて若い人たちに(ダカールラリーのような)現場を経験してもらうこと。まだまだ出来ることはあると思っています。ご声援ありがとうございました。


 
1号車ナビゲーター・羽村勝美のコメント
20年連続完走達成のお手伝いが出来て嬉しいです。トラブルもありましたが完走できて満足です。


 
2号車ドライバー・菅原照仁のコメント
今回の南米では我々以外にもカミオンで駆動系トラブルを起こすチームがあったようで、条件的にも厳しかったのかと思います。自分としては完璧に走れましたが、活動としては、ここから次のページを開いていかないと本当の勝負は出来ない。


 
2号車ナビゲーター・鈴木誠一のコメント
2台揃って完走出来て良かった。7人のメカニックの人たちは忙しかったと思う。本当にお疲れ様でした。


 
メカニック・中村保史(日野自動車)のコメント
今日ゴールして、やっとやりぬけたかなという印象。完走の重みを改めて感じています。南米の人たちのモータースポーツに対する関心度の高さにはびっくりしましたね。現地の人たちにも助けられました。


 
メカニック・工藤成俊(日野自動車)のコメント
ラリー中は徹夜の連続で大変でしたが全員怪我もなく、最後は笑って終わることが出来ました。良かったなあとほっとした気持ちです。


 
メカニック・森田淳平(日野自動車)のコメント
完走するだけでも厳しい世界ということがよく分かりました。最後までみんなで協力しながらやってこられたのが良かったと思います。


 
メカニック・若林栄次(千葉日野自動車)のコメント
成績はともあれ、無事に完走出来てよかったと思います。


 
メカニック・杉本一人(福井日野自動車)のコメント
これまで毎年完走していたので、最初はすんなり行くかと思っていたのですが・・・。また、日野チームスガワラが、カミオン部門のライバルに比べて一回り小さい車両で頑張っていることも良く分かりました。


 
メカニック・竹川公博(長野日野自動車)のコメント
2台揃ってゴール出来てよかった。完走って大切なんだなと改めて思いました。こう言ったら怒られるかも知れませんが、自分としては楽しかったです。


 
メカニック・浦辺満広(香川日野自動車)のコメント
駆動系トラブルの発生を聞いたときは半ば(リタイアかと)諦めたほどでしたから、今は満足感でいっぱいです。大変ではありましたが、みんなの力を合わせれば乗り切れることも分かりました。

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ポディアムに到着し、市川副社長の激励を受ける2号車>>

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メカニックを乗せて1号車がポディアムに登場>>

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主催者のE・ラヴィーニュから20年連続完走を讃えられた菅原義正>>

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激励に駆けつけた日野自動車市川副社長とチームスタッフ>>

 カミオン部門総合暫定順位
 1   506 カビロフ カマズ 49:34:46
 2 501 チャギュイン カマズ 49:38:25
 3 505 デロイ ジナフ 50:34:42
 4 508 マルデーブ カマズ 56:21:16
 5 507 エスター マン 56:54:27
 6 504 アゼベド タトラ 59:06:04
 7 510 ビラロカ メルセデス 65:41:26
 8 503 ヴァンギンケル ジナフ 66:04:33
 9 514 ジュバンテニー マン 69:28:31
 10 534 スザラー マン 70:01:47
 14   513 菅原照仁 日野 76:58:08
 26   511 菅原義正 日野 180:52:03

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