2011/01/09 ARICA-ANTOFAGASTA
Liaison 600km / SS 192km  Total 792q

後半戦初日は厳しいスタートに
2号車は痛恨のミスコース、1号車は10リッター未満クラス3位に後退する

9日、2011年ダカールラリーは後半戦に突入。チリ北端の町アリカから一路南下しアントファガスタまでの行程で競技を行った。この日のSSはアタカマ砂漠北部を舞台に273kmの前半部分を終えたあと151kmのニュートラル区間を走り、そこから207kmの後半部分を行うという合計611km(2輪部門は631km)が予定されていたが、主催者は後半部分をキャンセル。前半部分終了後移動区間でアントファガスタへ至るルートに変更した。残った前半部分は7日のイキケ〜アリカ間のコースを逆に行くもので、全く同じ部分もある。延々と続く埃の酷いピストやフェシュフェシュ、大きな砂丘越えなど難関続きの一日となった。

日野レンジャー2台でトラック部門の市販車クラスに参戦している日野チームスガワラはこのSSで1号車菅原義正/杉浦博之組が途中トラックには狭い谷間のピストやナビゲーションの難しさに苦労しながらもSS総合13位/市販車クラス3位/排気量10リッター未満2位でゴール。一方、2号車菅原照仁/鈴木誠一組はCP(チェックポイント)1〜2 間の砂丘の入り口でミスコースを喫し、約40分ほどタイムロス。その後終盤の砂丘の頂上で軽いスタックをしたものの素早いリカバリーによって同18位/市販車クラス5位/10リッター未満3位で無事SSを終了した。しかし、市販車クラス/排気量10リッター未満クラスの首位を争うオランダのJ・エルフリンク(メルセデス・ベンツ・アクサー)組が1号車よりも23分08秒速い総合9位で同SSを終えたことにより累積順位で1号車を逆転。2号車のトラック総合11位/市販車クラス2位/10リッター未満クラス首位の座はゆるがないものの1号車は総合14位/市販車4位/10リッター未満3位に順位を下げる結果となった。

明日10日はアタカマ砂漠の中心地コピアポへ向けて508kmのロングSSが行われる。小型軽量な日野レンジャーの特性を活かし、再び砂丘が待ち受ける難関ステージで挽回を図るべく、アントファガスタのビバークでクルーとメカニックは意欲を漲らせていた。

※順位は修正版のため暫定記載の日野自動車HPと異なる場合があります


 
1号車ドライバー・菅原義正のコメント
砂丘越えは直っすぐ登らず迂回したりして無事にクリア。しかし下りたときに右側のヘッドライトを路面にぶつけたり、右側前輪がトーアウトしたりと不運続きでした。エルフリンクさんに抜かれはしましたが、明日からの砂丘ステージでなんとか挽回したいと思います。


 
1号車ナビゲーター・杉浦博之のコメント
砂丘の上り下りをしている間にナビのパネルに額をぶつけてしまいました。大したことはありません。ピストのワダチが幾重にもなっていてナビゲーションは本当に難しかったです。


 
2号車ドライバー・菅原照仁のコメント
砂丘の手前でカップ(方位)にあわせて入るところが分からず、同じところを3回回ったりしてタイムロスしました。最後は砂丘の頂上で亀の子になりましたが、一緒に埋まっていた4輪車を掘り出すのを手伝い、先に出せたそのクルマに牽引してもらって短時間で脱出。ともあれ難しい一日でした。


 
2号車ナビゲーター・鈴木誠一のコメント
砂丘の難易度は思ったほどではありませんでしたが、7日や6日に走ったワダチが残っていたりしてナビゲーションはやっかいでした。車両は大きな問題はありませんが、エアコンブロアモーターのノイズが酷く、車内の会話が遮られるほどでした。


 カミオン部門SS順位
総合 市販 10L No. ドライバー(国籍) メーカー タイム   
 1     504 ロプライス(チェコ) タトラ 02:23:43
 2     502 カビロフ(ロシア) カマズ 02:28:46
 3     500 チャギュイン(ロシア) カマズ 02:37:48
 4     507 エヒター(ドイツ) マン 02:43:36
 5     512 ニコラエフ(ロシア) カマズ 02:46:23
 6     518 マルデーブ(ロシア) カマズ 02:52:43
 7     506 ヴィラ(スペイン) イベコ 02:58:32
 8     537 アルデサース(カザフスタン) カマズ 03:26:28
 9 (1) (1) 516 エルフリンク(オランダ) メルセデス 03:27:44
 10     511 ファンデンブリンク(オランダ) ジナフ 03:35:36
 11 (2)   528 ベリンガー(ドイツ) マン 03:40:25
 13 (3) (2) 513 菅原義正(日本) 日野 03:50:52
 14 (4)   538 ベリーナ(イタリア) ジナフ 03:53:59
 18 (5) (3) 526 菅原照仁(日本) 日野 04:30:12
※括弧内は各クラスの順位(市販車及び10L未満)
※順位は修正版のため暫定記載の日野自動車HPと異なる場合があります

 カミオン部門総合順位
総合 市販 10L No. ドライバー(国籍) メーカー タイム   
 1     502 カビロフ(ロシア) カマズ 26:12:26
 2     504 ロプライス(チェコ) タトラ 26:28:48
 3     500 チャギュイン(ロシア) カマズ 26:40:48
 4     512 ニコラエフ(ロシア) カマズ 27:56:21
 5     507 エヒター(ドイツ) マン 28:38:13
 6     518 マルデーブ(ロシア) カマズ 29:16:48
 7     506 ヴィラ(スペイン) イベコ 30:58:33
 8     503 ファンフリート(オランダ) マン 32:34:00
 9 (1)   528 ベリンガー(ドイツ) マン 33:04:32
 10     537 アルデサース(カザフスタン) カマズ 33:41:10
 11 (2) (1) 526 菅原照仁(日本) 日野 35:28:54
 13 (3) (2) 516 エルフリンク(オランダ) メルセデス 36:47:43
 14 (4) (3) 513 菅原義正(日本) 日野 36:55:31
※括弧内は各クラスの順位(市販車及び10L未満)
※順位は修正版のため暫定記載の日野自動車HPと異なる場合があります


1号車菅原義正/杉浦博之組


1号車菅原義正/杉浦博之組


2号車菅原照仁/鈴木誠一組


難関だったステージを振り返る菅原義正/照仁


ロードブックの確認を行う鈴木誠一、杉浦博之ナビゲーター


2号車のエアコンブロアを点検する橋場、末次メカニック


アントファガスタの海岸に設けられたビバークで整備を受ける日野レンジャー