2011/01/12 COPIAPO-CHILECITO
Liaison 686km / SS 176km  Total 862q

灼熱と重い砂のフィアンバラを見事に攻略
2号車が市販車クラスの首位を奪取

2011年ダカールラリーもいよいよ終盤戦へ。12日には再びアンデスを越えてチリからアルゼンチンへ入国した。コピアポ〜チレシトの行程は686kmの移動区間で国境を越えたあと、フィアンバラ砂漠で176kmのSSを実施。その後再び183kmの移動区間でフィアンバラ南部のチレシトのビバークに到達するもので、合計862kmの移動距離は今大会最長である。フィアンバラ砂漠は標高1400m〜2400mの高地にありながら日中気温が45度に及び、砂丘やワジ(枯れ川)、フェシュフェシュ(パウダー状の砂)など走行抵抗の高い路面が続く。このため例年は水温や油温の上昇からオーバーヒートに見舞われる競技車が続出するなど、人にも車両にも過酷なことで知られるステージだ。

日野チームスガワラの2台の日野レンジャーはこの難所に果敢にアタック。2号車菅原照仁/鈴木誠一組は11番手でスタートすると砂丘を巧みに回りこんでクリアするなど、クレバーな走りでCP(チェックポイント)2までに7位へ躍進。そのまま走りきって見事改造部門の大型勢に分け入るトラック部門総合7位/市販車クラス1位/排気量10リッター未満クラス1位でゴールした。また、1号車菅原義正/杉浦博之組も15位スタートからCP2で14位にポジションアップ。総合16位市販車クラス3位/10リッター未満クラス2位で順調に走り終えた。この結果により、累計順位で2号車はトラック部門総合9位/市販車クラス1位/排気量10リッター未満1位、1号車が同じく総合12位/市販車3位/10リッター未満2位にポジションをアップ。2号車が見事シングルランキングに食い込むとともに市販車クラスの首位を奪取した。

明日13日はチレシト〜サン・ユアン。砂丘はないが再び前後2パートに分かれる 622kmのロングSSには3200m超の山越えなど、リスクの多い区間が含まれる。日中の気温が40℃を軽く超えたビバークにラリー車が到着すると、待ちわびていた5名の日野メカニックたちが早速作業に取り掛かった。

※順位は修正版のため暫定記載の日野自動車HPと異なる場合があります


 
1号車ドライバー・菅原義正のコメント
すごいデコボコ道で砂丘も難しいステージでした。殆ど09年大会と同じだったような気がします。ここまできたらあくまで確実性を重視してきっちり走りきりたいと思っています。


 
1号車ナビゲーター・杉浦博之のコメント
移動区間の国境越えで4300mの高地を通ったのですが、自分は低酸素に弱いので高山病の薬を飲んだり、酸素を吸ったりして対応。おかげでSSでは大丈夫でした。今日で本格的な砂丘が終わったということでほっとしました。


 
2号車ドライバー・菅原照仁のコメント
最初の砂丘をまっすぐ登らず回り込んでクリア。そのあとの砂丘でも下り坂のキャンバー走行があり、上手く迂回しながら通ってきました。コピアポのループ(第9ステージ)とここ(第10ステージ)は狙っていたSSなので、上手く行きました。水温上昇はありましたが110℃止まりでペースダウンなどはなし。今日も良い一日でした。


 
2号車ナビゲーター・鈴木誠一のコメント
オフロードのカップ(方位)走行が多く、ナビゲーションは少々難しかったです。水温のほか油温も上昇しましたが問題ない範囲。砂丘で前後バンパー、マッドフラップなどの損傷はありましたが、大丈夫です。


 
メカニック・門馬孝之(日野自動車)のコメント
今日はデコボコ道を走ってきたのでダメージがないか、全体をよく点検します。昨年までこのステージで苦しんだオーバーヒートはなかったようなのでほっとしました。


 
メカニック・山本昌良(日野自動車)のコメント
現場のリズムにもだんだんと慣れてきました。残りも僅かになってきたので2台揃って完走できるよう全力で頑張ります。


 
メカニック・橋場弘(石川日野自動車)のコメント
前回現場に来たときよりも周りが確実に速くなっているのを感じます。


 
メカニック・山王隆史(横浜日野自動車)のコメント
砂と埃の生活にも慣れてきました。ラストスパートが掛けられるようにしっかりクルマを良くしていかなければと思っています。


 
メカニック・末次健一(広島日野自動車)のコメント
最初はきつかったですが、だんだん本調子になってきました。ラリー車は市販車よりもシビアな面があって難しいのですが、順位が上がってくるとこちらもミスしてはいられない気持ちになってきます。


 カミオン部門SS順位
総合 市販 10L No. ドライバー(国籍) メーカー タイム   
 1     500 チャギュイン(ロシア) カマズ 03:21:39
 2     502 カビロフ(ロシア) カマズ 03:43:17
 3     503 ファンフリート(オランダ) マン 03:56:16
 4     506 ヴィラ(スペイン) イベコ 04:00:23
 5     518 マルデーブ(ロシア) カマズ 04:01:34
 6     512 ニコラエフ(ロシア) カマズ 04:06:05
 7 (1) (1) 526 菅原照仁(日本) 日野 04:17:23
 8     507 エヒター(ドイツ) マン 04:26:36
 9     519 ビルドマン(チェコ) リアズ 04:38:15
 10     520 デュイステル(オランダ) イベコ 04:44:22
 14 (2)   538 ベリーナ(イタリア) ジナフ 04:59:08
 16 (3) (2) 513 菅原義正(日本) 日野 05:01:33
※括弧内は各クラスの順位(市販車及び10L未満)
※順位は修正版のため暫定記載の日野自動車HPと異なる場合があります

 カミオン部門総合順位
総合 市販 10L No. ドライバー(国籍) メーカー タイム   
 1     500 チャギュイン(ロシア) カマズ 38:56:38
 2     502 カビロフ(ロシア) カマズ 39:14:05
 3     512 ニコラエフ(ロシア) カマズ 41:40:44
 4     507 エヒター(ドイツ) マン 43:53:04
 5     518 マルデーブ(ロシア) カマズ 44:02:48
 6     506 ヴィラ(スペイン) イベコ 45:51:10
 7     503 ファンフリート(オランダ) マン 49:08:11
 8     537 アルデサース(カザフスタン) カマズ 49:16:43
 9 (1) (1) 526 菅原照仁(日本) 日野 51:52:54
 10     511 ファンデンブリンク(オランダ) ジナフ 54:46:47
 11 (2)   528 ベリンガー(ドイツ) マン 55:10:20
 12 (3) (2) 513 菅原義正(日本) 日野 56:31:00
※括弧内は各クラスの順位(市販車及び10L未満)
※順位は修正版のため暫定記載の日野自動車HPと異なる場合があります


1号車菅原義正/杉浦博之組


2号車菅原照仁/鈴木誠一組


チレシトのビバークで一息つく菅原照仁


SSを7位で終えた2号車


無事に難関を終えた菅原義正