
2台の日野レンジャーが無事にラック・ロゼにゴール
1号車が総合5位/排気量10リットル以下クラス1位を獲得

2006ダカールラリーは15日、ダカールを基点とするループ状の行程を行い、同市近郊の塩湖ラック・ロゼ前にゴール。16日間の全日程を終了した。
この日もダカールは好天に恵まれ、1万人の観客が見守る中、日野・チームスガワラの2台の日野レンジャーは無事にフィニッシュポディアムに到達。1号車がカミオン総合5位・排気量10リットル以下車両1位、2号車もカミオン総合7位の好成績を獲得した。この日は恒例の海岸からラック・ロゼに回り込む31kmの最終SSが予定されていたが、13日、14日と2日間連続で地元の観客と競技車の接触事故が発生したことを理由に主催者は同区間の競技をキャンセル。パリ・ダカ史上でも異例のリエゾンでの最終フィニッシュとなった。
会場には朝早くから大勢の観客が詰め掛け、午前11時半頃から2輪の参加者がゴールに到着。そして午後3時過ぎに大きな鯉のぼりを飾った日野レンジャーがポディアム脇に到達すると周囲からは大きな歓声が沸き起こった。
第28回を迎えた今回のダカールラリーはその歴史上初めてポルトガルをスタート地に選び、12月31日にリスボンをスタート。74台ものエントリーを集めたカミオン部門はホモロゲーションの不備から優勝候補の一角と目されていたダフチームの5台が車検で失格となる波乱もあった。2台の日野レンジャーはアフリカに渡って本格的な競技が始まると序々にポジションを上げ、カマズ、タトラなどいつの間にか常連勢がリザルトの上位に並ぶようになると、クラス6・8位/排気量10リットル以下車両のトップという本来の順位をキープ。日野自動車ならびに全国販社より公募選抜された4名のメカニックの活躍もあって中盤戦を順調に乗り切った。
そして終盤は昨年も10リットル以下クラスのトップ争いを演じたG・ヴィスマラの駆るメルセデス・ベンツ・ユニモグを7位に挟んでの順位争いとなったが、1号車はヴィスマラとのタイム差をじわじわ広げながら、2号車もヴィスマラとの差を詰めながらダカールに到着。タトラのベテラン、K・ロプライスがリタイアしたことで、総合5位・7位でゴールした。
今大会はモーリタニアの難易度の高い砂丘以外でも後半戦のハードグラベルでクラッシュや転倒を喫するなど、当初の予想以上に過酷な内容となり、リスボンをスタートした2輪232台/4輪174台/カミオン69台の合計475台のうち、この日ダカールに到着したのは2輪93台/4輪68台/カミオン33台の合計194台。トータル完走率は40.8%にとどまった。

| 1号車ドライバー・菅原義正のコメント
今大会に向けては制約の中で2台体制で参戦したのが、こうして揃って完走出来、幸せに思います。今年は特にそういう気持ちが強いです。応援して下さった方々には心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
|

| 1号車ナビゲーター・羽村勝美のコメント
今回は全体にナビゲーションは厳しかったですね。GPSの代わりにコマ図に集中して頑張ったつもりです。大きなミスコースはありませんでした。5位という成績には満足すると同時に、メカニックやチームのスタッフに感謝したい気持ちです。
|

| 2号車ドライバー・菅原照仁のコメント
自分にとってはドライバーとして2回目の挑戦で満足出来る結果です。今回装着したクーラーは疲労を抑えるのに効果が大きかった。何しろSS中に水を飲まなくてもすみました。
|

| 2号車ナビゲーター・鈴木誠一のコメント
無事にゴールに着けて良かった。今回も2台揃ってシングルで完走出来、ほっとしました。1号車が転んでいるのを見たときは本当にびっくりしましたが、全行程を通じて2台とも大きなトラブルは出ませんでしたね。
|

| メカニック・川端真二(日野自動車海外部品・サービス部サービス室)のコメント
ほっとしましたが、寂しい気持ちもあります。今は分かりませんが、日本に帰るとまた来たいと思うのでしょうね。仕事はみんなで頑張ったつもりです。
|

| メカニック・山口敬仁(日野自動車車両生技部車両課)のコメント
ラリー中はあと何日とか指折り数えることもありましたが、終わってみればあっという間でした。無事に2台がゴール出来てこんなに嬉しいことはありません。
|

| メカニック・川崎哲弥(北海道日野自動車)のコメント
ゴールは感無量。みんなで一丸となって仕事をしてきて、よく走ってくれたという喜びを感じています。やはりラリーは走りきってなんぼ。素直に良かったなと思います。
|

| メカニック・山本良伸(山口日野自動車)のコメント
自分の担当した2号車が無事に走りきってくれたのが嬉しいです。仕事は今思うともっと上手く出来た部分があるのではと思う部分も。2回目があれば良いのでしょうが…。今は泣きそうな気持ちです。
|
|  | 
※Stage15は競技区間がキャンセルとなりました。
 1号車、総合5位、排気量10リットル以下クラス1位 >>
 2号車、総合7位、排気量10リットル以下クラス3位 >>
 |
カミオン部門総合順位 |
 |
1 |
|
508 チャギュイン |
カマズ |
71:22:16 |
 |
2 |
|
524 ステイシィ |
マン |
73:43:25 |
 |
3 |
|
500 カビロフ |
カマズ |
74:28:08 |
 |
4 |
|
513 デ・アヴェゼベド |
タトラ |
76:53:07 |
 |
5 |
(1) |
501 菅原義正 |
日野 |
81:04:41 |
 |
6 |
(2) |
503 ビスマラ |
メルセデス |
82:35:20 |
 |
7 |
(3) |
505 菅原照仁 |
日野 |
84:04:29 |
 |
8 |
|
530 エスター |
マン |
85:19:42 |
 |
9 |
(4) |
528 サドラウラー |
マン |
85:44:10 |
 |
10 |
(5) |
546 ライフ |
マン |
86:23:36 |
 |
※括弧内は排気量10リットル以下クラスの順位
|