2005/01/16 DAKAR-DAKAR

1号車2位、2号車6位でラックロゼにゴール
テレフォニカ・ダカール2005の全日程が終了

 テレフォニカ・ダカール2005は16日、最終行程ダカール〜ダカールを実施し、31kmの最終SSのあと、沿岸にある塩湖「ラック・ロゼ」に設けられたポディアムでフィニッシュ・セレモニーを行い16日間の公式日程を全て終了した。最後のSSはダカール市付近の海岸をスタートして、ダカールラリーのゴールとして20年以上に渡って使われてきた伝統の「ラック・ロゼ」へゴールするセレモニー的なもので順位の変動も殆どない。とはいえ、以前にはこの区間で車両を壊してリタイアしたケースもあり、決して気が抜けないところだ。
 このSSをチームスガワラの日野レンジャーは大事に走り、1号車が15位、2号車が9位でゴール。さらに15日ダカール到着後のテクニカルチェックによってインタークーラー配管とリーフスプリング、及びフロントバンパーの公認書との材質違いという技術規定違反に問われた総合2位のダフ524号車が失格になり、1号車は2位、2号車は6位に順位を繰り上げて待望のポディアムへと向かった。この日の天候は晴れ時々曇り。「ラック・ロゼ」ではよくある天気だが、砂嵐のような強風が毎日吹き荒れ、クリーム色の空ばかりだった今大会だけに最後に顔を出した太陽はとりわけ心地よく感じられた。
 今大会は2輪230台、4輪163台、カミオン69台の総勢462台がバルセロナをスタートしたが、ダカールに着いたのは2輪104台、4輪75台、カミオン36台の合計215台。完走率46.5%と厳しい結果となった。とりわけカミオンクラスは連続15回目の出場となる日野自動車やカマズ、タトラといった常連に加え、オランダのダフ及びその派生であるジナフ、ドイツのマンなど新たなチームが大量にエントリー。近年にない混戦模様となると共に、4年ぶりに復活した排気量10リットル以下車両への賞典(排気量によるクラス分けは存在しないが、賞典が用意された)に対してもベテラン、G・ヴィスマラの率いるメルセデス・ベンツ・ユニモグチームや元WRCチャンピオンのM・ビアシオンと無冠の帝王M・アレンが駆るイヴェコ・ユーロカーゴ、1997年に日野レンジャーを駆ってカミオンクラス総合優勝を果たしたJ-P・ライフが走らせるマンL2000など強豪揃い。日野レンジャーの2台体制で臨んだチームスガワラにとっても厳しい戦いが予想された。
 しかし、ラリーは6日ズエラ〜ティシット間のロングSSで燃料切れで立ち往生する車両が続出。事前にコース状況を予想して燃料タンクを増量するなどベテランらしい周到な準備を進めてきたチームスガワラはこの難関を1号車2位、2号車4位で見事にクリア。カミオンクラスの3位と5位に一躍浮上した。その後も4位につけたヴィスマラのユニモグに対して果敢な走りで対抗。14日のロングSSで大型クラスのライバルを向こうに2位タイムを叩き出した1号車は3位のポジションを堅持し、終盤経年の使用によるトラブルに見舞われて順位を下げた2号車も今回日野自動車ならびに販売会社から派遣された3名のメカニックらの活躍により無事7位でダカールへと到着した。
 1号車の大型クラス強豪ライバルが居並ぶ中でのカマズに次ぐ総合2位は価値ある結果。排気量10リットル以下車両での1位は中型トラック、日野レンジャーにとっての高性能の証左でもある。一方、2号車は菅原義正の次男、照仁が今回始めてドライバーとしてダカールラリーに出場したもので、初参戦での6位は賞賛されるべき順位だろう。全体を通じてチームの総合力を生かした結果であることは言うまでもない。

1号車ドライバー・菅原義正のコメント
なんとか15年間の日野レンジャーの連続完走記録をきちっとした結果で達成することが出来て良かった。3人のメカさんや羽村ナビゲーターをはじめチーム全員の頑張りと日野レンジャーの走りが「人馬一体」になって力を出せたと思います。最後になりましたが、長いラリー中、応援してくださったみなさんには本当に感謝しています。有難うございました。

1号車ナビゲーター・羽村勝美のコメント
自分の全力を出し切った結果なので、とても嬉しい。メカさんやチームのスタッフをはじめ、応援頂いた方々全員の力で出せた結果だと思います。正直なところ、すごく疲れましたが、終わってほっとしました。

2号車ドライバー・菅原照仁のコメント
1号車の成績は今回のエントリー状況からすればすごいと思う。自分の順位は今まで色々と経験させてもらったことが生かせたことも大きいですが、日本で準備をしているときから手伝ってくれたみなさん、そして久しぶりのナビを務めてくれた鈴木さんなど多くの人に支えられて出来たことだと実感しています。

2号車ナビゲーター・鈴木誠一のコメント
無事にダカールに着けて良かったです。ナビゲーターとして2人のやりとりは上手く行ったと思います。頭の中はナビと同時にメカのことも考えていたので疲れましたが、日野のメカさんがいてくれて本当に良かったです。

メカニック・北野哲史のコメント
実は昨日までずっと辛かったんですが、今日ゴールを見て全てが吹っ飛びました。同時に走馬灯のように今までの出来事が頭の中を駆け巡りました。どんどん良い方向に進んで結果には満足しています。

メカニック・二宮真吾のコメント
ゴールは感動の一言。序盤はとりわけ大変でしたが、ほっとしました。2位でフィニッシュできるとは…。とても嬉しく思います。

メカニック・西田講平のコメント
アシスタンスカミオンで移動して、寝られないまま着いたら整備しての繰り返しで2週間。苦しいこともありましたが、終わってみれば…。またチャンスがあれば挑戦して見たいです。


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1号車総合2位でゴール>>

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2号車も無事総合6位でゴール>>

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共に闘ったクルーと共に>>

 カミオン部門SS16暫定順位
 1  515 V.チャギュイン カマズ 24' 52"
 2  526 H.デュイステル ダフ 26' 35"
 3  520 F.カビロフ カマズ 27' 57"
 4  521 J.デルーイ ダフ 29' 13"
 5  530 R.チボー ダフ 29' 13"
 6  516 G.デルーイ ダフ 29' 14"
 7  543 P.ライフ マン 29' 18"
 8  542 K.サドラウー マン 29' 27"
 9  501 菅原照仁 日野 29' 45"
15  500 菅原義正 日野 31' 41"

 カミオン部門総合順位
 1  520 F.カビロフ カマズ 71h 13' 55"
 2  500 菅原義正 日野 77h 18' 14"
 3  503 G.ビスマラ メルセデス 78h 00' 23"
 4  521 J.デルーイ ダフ 78h 51' 38"
 5  516 G.デルーイ ダフ 80h 48' 34"
 6  501 菅原照仁 日野 82h 19' 28"
 7  522 M.アレン イベコ 82h 40' 14"
 8  542 K.サドラウー マン 83h 32' 45"
 9  543 P.ライフ マン 83h 48' 34"
10  552 J.ゴバエール ジナフ 85h 17' 19"

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